経済概況
足取り鈍い春物需要
[平成24年3月]

 

[要 旨]
 国内経済は、米国経済の復調や円高の一服感、さらに復興需要も相まって、回復感が窺われる。また先行きについても、日銀が発表した3月短観をみると、鉄鋼や電気機械などの大企業製造業に、改善が見込まれるが、原油価格の動向が鍵となりそうだ。
 そこで、八戸・青森・十和田地区の産業活動をみると、八戸地区では、鉄工業界は、鉄骨工事で各種新築工事が、また製缶工事では、メンテナンス工事などの新規受注がみられたものの、鉄骨・製缶ともに、好調だった前年同月と比べ、下回る結果となった。
 建設業界では、官公庁工事は災害復旧工事や道路関連工事など、多くの新規受注がみられ、今年度最も多い受注額となった。一方、民間工事は、今年度2番目の新規受注額となり、震災により低調だった前年と比べると、大幅増の結果となった。
 水産業界では、八戸港の水揚げは、イカ釣り船が漁獲した、船凍スルメイカやアメリカオオアカイカのほか、トロールでは底物が水揚げされ、数量は、震災により思うように操業ができなかった前年を大きく上回った。一方、水産加工は、イカ・サバ製品への引き合いは依然衰えないなか、行楽需要期を控え、生産水準を引き上げている。
 個人消費では、春を感じ得ない天候から、春物の品揃えが増えた各店は、盛り上がりに欠けたが、市内大型小売店(5店)の売上高は、前年、震災による休業や営業時間の短縮から大きく落ち込んだことから、前年同月比39.5%の大幅増となった。
 一方、青森地区は、建設業では、官公庁工事は2ヶ月連続で前年を上回ったが、落札率が上向く兆しはうかがわれず、厳しい収益環境が続きそうだ。一方、民間工事は追加工事が、大半を占めたことから、前年を上回るまでには至らなかった。
 個人消費は、マザーニーズや新生活需要は活発な動きをみせ、春の足音が近づくとともに、衣料など春物商品も盛り上がりをみせた。その結果、市内大型小売店(4店)の売上高は、前年の震災による落込みの反動から同20.1%の大幅増となった。
 十和田地区では、建設業界は、官公庁工事で、大口の建設・土木工事の新規受注がみられたことから、前年を大幅に上回った。半面、民間工事は、小額な受注が多かったことから、低調な結果となった。
 個人消費は、春の訪れの遅れから、春物商品は振るわなかったが、前年、震災に伴う品薄から伸び悩んだ食料品関連が、大きく売上を伸ばしたほか、新社会人需要も動き出した。その結果、市内小売業(3店)の売上高は同1.3%増と、前年を上回った。
青い森しんきん地域経済研究所

 

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